なんちゃってチャリダー自転車始末記

新車がついに完成。

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 バイク便・自転車便会社で、組合が結成されたそうじゃないですか!

 歩合制・請負契約の会社で組合とは、画期的なことではないか!?

 現場のライダーたちが、よりよい待遇を得られるといいですね!
 ただし、その「よりよい待遇」の中身は人によって考えが分かれるところかと思います。

 まず現場の請負契約ライダー全員にメリットがあるのが、対人対物保険料の会社負担。そしてできればライダー自身の生命保険の会社負担(雇用契約の労災保険に相当)。理想は民間の生命保険ではなく、政府管掌の、一人親方用の労災加入(掛け金は全額使用者負担で!)。

 業務で他人に与えた損害について保障する対人対物保険料は、請負契約の会社でもすでに会社負担としているところもあります。一方、ライダー側が掛け金を負担する会社もあります。掛け金ライダー負担ならば、これを会社負担に変えるべき。

 重要なのがライダーが事故で動けなくなったときのライダー自身に対する保障の部分。雇用契約(時給制・アルバイト)ならともかく、現状の請負契約の下では、各ライダーが自分で生命保険を掛け、リスクに備える必要があります。それをしなかったら…ああおそろしい。労災に準じるならば、これも会社負担。

 自分は絶対事故らないとか、事故っても後悔しないし文句もいわないとか、アウトローに生きる、保険なんかしゃらくせぇという方は、ご自由にどうぞ…。

 ここまではいいとして。

 保険以前に、そもそも雇用契約と請負契約どちらがいいかというところからして、意見が分かれそう。雇用契約で安定を求めるのか、請負契約でいいから高収入を求めるのか、あるいは自転車乗って趣味感覚で仕事できればそれで満足なのか。

 ちなみに会社から見れば、経費やリスクをライダーに負わせ、社会保険を負担せずに済む請負契約の方が都合がよろしいわけです。
 じゃあライダーにとっては請負契約ではなく雇用契約にすりゃあそれでいいのか?…雇用契約にすりゃあそれでいい、と結論づけるのは早すぎます。

<考えられる選択肢>

●雇用契約、時給制(業務繁忙・閑散関係なく時給は同じ)
●請負契約、歩合制(仕事が多ければ多いほど収入が増える)

歩合制だとして。

●完全歩合制?それとも最低保証制度あり?
●対人対物保険は会社負担?ライダー負担?
●ライダー自身の生命保険(労災に相当)は会社負担?ライダー負担?

 ちなみに僕が個人的に「こういうのが欲しいな〜」と思っていたのは、

●請負契約、完全歩合制、ただし歩合の基本料率が高い(時給おことわり・売上最低保証というのも不要)
●全額とは言わずとも(全額なら雇用契約だ)、稼働日数に比例していくばくかの経費相当分補助(売上最低保証ではない)
●対人対物保険は会社を通じて強制加入、掛け金は全額会社負担
●ライダー自身の生命保険(労災に相当)にも会社を通じて加入、掛け金は全額会社負担(できれば一人親方用の労災で、全額会社負担)

 ※いや待った。ライダー自身の生命保険については、ライダーにリスク管理の自覚を促す意味で、説明はするけれど「会社を通じて加入する」「プラス自分で他の保険にも加入する」「無保険のまま(!)でいて掛け金を払わず、その分報酬に上乗せしてもらう(生命保険は自分で探して入る)」のどれかから選べてもいいかも

 仕事をこなせばこなすほど報酬が上がり、仕事に必要な経費や自分の生命保険、国民健康保険、国民年金は自分で負担するし、年末調整はなく、事業主として自分で確定申告。ただし、経費の自己負担を見越した高歩合率がある、というもの。
 安定など不要、ただし高報酬。…たとえ高報酬ではなくても、それでもいちおう個人事業主!雇われモノとはちがうぜ、というところが請負契約のいいところ。

 (僕自身についていえば、配送する能力という点ではきわめて凡庸だったので、このような報酬体系の下でも、低報酬な方に属することになっていたであろう…)

 現状の、会社のコストを削るためだけの偽装請負ではなく、本来の請負により近い形。でも実質は雇用契約なみに指揮監督を受けるから雇用契約っぽい要素もくわえる(経費の部分で。保障じゃなくて)。

 確定申告を知らず税金を払わず保険証も持たず(国民年金も滞納して)生命保険にも無頓着な、リスク管理を考えない人は事故ったときにアウト。
 グータラ公務員感覚で、ちんたらしてる方がいい、仕事はしなければしないほどいいという人も稼げないので事実上生活できなくてアウト(メッセンジャーをやる人で、こういう気質の人はとても少ないと思いますが…)

 それでいいじゃないですか。
 「安定」とやらがないのは他の自営業者もいっしょ。
 キケンな仕事の見返りは「安定」「保障」「社会保険」ではなく、「すべて報酬に換算」というのもありではなかろか?
 リスクや不安定さを報酬に変換して支払われた上で、各員が自分の才覚で工夫して経費を圧縮し、あるいは保険を積み増し。ケガだけでなく、「所得」そのものを保障する生命保険もあります(いわゆる「第三分野」)。
 そして自分の手元に残る分を自分でコントロールする。

 請負契約であること自体が問題なのではありません(まぁ労働問題的にはちっともよくないですが)。請負契約で歩合制なのに、その物理的に狙える報酬の上限が雇用契約のアルバイト並みに低いのが問題なわけです。

●低リスク、ライダーの経費負担は少、ただし低報酬の雇用契約(時給制アルバイト)。
●高リスク、ライダーの経費負担は多、なのに低報酬の請負契約(歩合制)。
 これが現状。

 そこで・・・
●高リスク、ライダーの経費負担は中、ただし高報酬の請負契約(歩合制)
 があればいいというわけだ!

 「歩合制なので頑張れば頑張るほど稼げます」…それはたしかに事実ですが、その頑張ったときの「稼げます」のレベルがメチャクチャ低いのがヘコム(年収300万円を超えられればオメデトウ、という程度か?)。
 業界全体を見渡して、トップから上位何パーセントの優秀な人の年収が年収300万円台って、そんなんでは人材が先細ってしまうじゃないか。

 …高報酬の請負契約がいいって書いたけれど、そりゃあ雇用契約なみに拘束され、指揮・命令を受けるバイク便ライダーやメッセンジャーを請負契約で使うのは脱法行為だっていうのは分かっております(「偽装請負」)。
 事故が起きたとき、その労災相当分の負担について、ライダーVS会社の個別交渉ではなく、ライダー側が会社を司法の場で訴えたら、おそらく会社が負けることでしょう。労災が適用されるべき「労働者」かどうかは、単に契約が「雇用契約か請負契約か」だけで決まるわけではないから(過去に判例もあり)。

 ただ・・・・思うに、バイク便・自転車便は、会社自体もあまり利益が出ない業種であるのはまちがいありますまい。フルタイムで勤務するライダーへの好待遇を提供するための原資はあるのか??…上場しているバイク便会社・自転車便会社が見当たらないので、経常利益率とか、よくわからないですね・・・。

 自分の過去の売上の1日単価から逆算してみると、メッセンジャー配送スタッフ一人あたりの「平均月間売上」最多分布帯は、40万円〜50万円台でしょう(週5日、1日10時間稼働、閑散期・繁忙期を通じての平均)。
 すると・・・・一人あたり年間売上約500〜600万円台か。

 つまり自転車便会社は、経営する側から見れば、ザックリした数字では「配送部門の従業員1人あたり年間500〜600万円程度しか売上を出さないにもかかわらず、その半分以上が配送スタッフの報酬としていきなり消滅してしまう」「内勤スタッフの給料や、その他会社の販管費は、残った半分弱の中から捻出する」ことになります。

 歩合制って、会社がどんなに安い仕事でも一定の売上を会社に残せるから会社にとってオイシそうですが、いかんせん、絶対的な金額自体が・・・。

 従業員一人あたり年間売上が500万とか600万円しかなく、しかも仕事の性質上クレームが発生しやすく、そして値崩れが起きやすい業界って、そもそも出発点からして苦しい業界だと思うのですが・・・。(内勤スタッフを入れたら一人あたり売上はもっと低くなる)

 経営者がライダーを搾取している…というステレオタイプな図式だけでは報酬の安さの説明はつかないわけで、労働組合が会社から、というより会社と共に最後に勝ち取るべきは、本当は「運賃の値上げ」かもしれません。

 いつぞや、宅配業者の人から聞いた、半日便の西新宿から六本木までの値段は840円。
 メッセンジャーだと…たぶん2000円くらい(所要時間30分)。
 西新宿の会社の人が自分で六本木まで届けると…エレベーター・徒歩・電車で往復90分とすると(自分で行ったらそのくらいかかるでしょう)、ハケン社員2500円/時(派遣会社への支払分込み)で往復3750円。年収600万(3000円/時以上)の人が行くと往復4500円以上。

 …「値下げ(だけ)がウチの売りです」「とにかくお安くします!」という会社に仕事を取られる?バイク便・自転車便の会社の値下げの原資といえばおそらくまずは人件費。報酬のあまりに低いバイク便・自転車便会社が、そういつまでも配送の質を維持・向上できるものか?

 1)低運賃→2)低報酬→3)高品質??
 …2)→3)がまずありえません。相関関係がないではないか!それとも、そんなに優秀で魅力にあふれ、スタッフが低報酬でも不満を持たず長続きするような、カリスマ性のある経営者なのか??
 「プロなんだから低運賃・低報酬だろうとちゃんと届けるべき」…それはまったく正論ではありますが、しかし正論でしかありません。現実がついてこない。

 1)低運賃→2)低報酬→3)士気の低下・人材の流出・品質の劣化
 この方が現実味があります。

 今、ウェブショップの店長として、つまり荷主側の人間として倉庫管理と運送を担当する物流業者に指示を出したり彼らのミスを追及したりする立場にあります。配送業者への叱責というのは、心情的にはあまりやりたくない仕事です。そんなにお金払っているわけじゃないし…。
 でもそうも言っていられません。配送クレームはすなわちショップへのクレーム。仕事が店舗の手を離れた後のクレーム発生率というのは、仕事が店舗の手を離れる前に比べて相対的に高いのも事実。
 やっぱし、安かろう悪かろうっていうんじゃ困るわけです。荷主にとっては相応の額を払ってまっとうな物流業者に委託するというのも仕事の一つのはず。


 え?バイク便ライダーやメッセンジャーを応援しています?
 ならばやってはいけないこと。

 「バイク便、自転車便会社を値段順に並べ、いちばん安いところを使う」

 じゃあどうやって選べばいいのか?
 「最も運賃が高く、教育コストを負担でき、教育が行き届いており(それゆえ遵守事項も多い)、仕事の完成度が高く、そして最もライダーの<本当の>待遇が恵まれているところを使う」

 使う側だけでなく、ライダーに応募する側も同様。

 とはいえ、外からはなかなか分からないなァ・・・。(歩合制の「収入例」なんて、しょせんトップクラスの「例」で、平均からはかけ離れているからなァ・・・)

 僕が荷主なら、少なくとも「ここが安いから」という理由「だけ」ではバイク便や自転車便を使わないと思います。バイク便や自転車便を使うほどせっぱ詰まっているときに、値段順にソートして安いところを探してケチるという、その勇気がない。

 「安い」「会社の売上自体は伸びている」…「では報酬は?」
 値下げ→目先の売上増→けれど利益率の低下→経営の自転車操業化→報酬の低落化→品質の劣化・・・

 (ウェブショップも、うちで扱っている商品はよそでもうちより安く売られていますが、安さだけじゃないんですよ、売れる理由って…)

 「オラ、とにかく安くしろ」
 「でないとてめーら【切る】ぞ」
 「プロなんだから安かろうが何だろうが届けろよコラ」
 「運賃が安い、報酬が安いたっててめーで選んだ仕事だろ?さっさと届けろ」

 …とかいって値段だけ見て安いところにばかり飛びついていると、そのうち手痛い大打撃を荷主がこうむることでしょう。配送業者にハラを立てても時すでに遅し。まじで。












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